Tranquility Base Hotel & Casino
俺は深く考えてるように見えるかもしれないけど、本当はそんなことないんだ。月に住むロックスターの孤独なんて、超絶に陳腐だよな。ああ、夜明けは重さを増すばかり。
俺のことは買えないって事実をウリにして、「高潔さ」と名付けた香水を売る。見かけだおしの輝く街で。観戦スポーツみたいになった人生で。
「おはよう、チーズバーガー」SNSに生活を侵食されているというナンセンスについて
あからさまでなくセクシーに、危険性を強調して、隠されたメッセージを届けたいんだ。SFみたいな手法で、月面のパラレルワールドから。
「あなたはボタンを押すだけ、あとはお任せくださいー」アーキテクチャの権力に、我々は進んで自由を差し出して、ますます愚鈍になっていくのか
愉しみながら死んでいく。ありもしない夜と、ありもしない昼が、享楽的に流れていく月面の世界で。
SFが現実化する時代の愛。精神世界で通じ合った恋人は、腐った政治の夢を見るか?
こちら、月面のホテル。あなたはそこで、何を考える? どこに電話を繋ぎたい?
メディアが報道するのは、流動的にされた真実と、最新の古代遺跡のようなもの。そして俺は、神様とビデオチャットする。
疫病に天災、戦争。黙示録がついに優先されるとき。ちょっと待って、何考えてたんだっけ。
思えば遠くに来たものだけど、それなのに、忘れたいと思えば思うほど、過去はバックミラー越しに取り憑いて離さない